ヤワラは、植物の生育期に不足しがちなカルシウム分を、葉や茎から効率よく吸収させるための葉面散布用のカルシウム剤です。

カルシウム欠乏症を治すことはできませんが、定期散布することによって、いろいろなカルシウム欠乏症の発生を予防し、植物の生理活性を正常化して植物全体を強くすることができます。

カルシウム補給以外でも、しおれ軽減効果や、低温障害軽減効果（霜害軽減効果）などが確認されており、さまざまな場面で活躍できる製品になっております。

詳しくは 製品情報 をご覧ください。

｢液状窒素肥料｣として “生第83774号” で肥料登録しております。

保証成分量は、硝酸性窒素5.0%です。

ヤワラは、原料として硝酸カルシウムを使用しております。

その中の硝酸分が、肥料の種類としては “窒素肥料” として扱われているのですが、硝酸カルシウムは水溶性のカルシウム化合物で、この場合 “効果発現促進材” という肥料の材料としても認められております。

ですので、“窒素肥料” と同時に「カルシウム剤」としての効能をうたうことができるのです。

カルシウムについて詳しくは こちら をご覧ください。

石灰（CaO）として10.5%、
カルシウム（Ca）として7.3%を含んでおります。

カルシウムについて詳しくは こちら をご覧ください。

キレート剤は添加されておりません。

展着促進材（界面活性剤など）のお陰で、有機キレートの効能をうたっている他のカルシウム剤に比べても、植物体内に十分浸透し移行力にも優れています。

そのことは、弊社 “きゅうりでの試験” でも確認されております。

肥料では、散布液を葉の表面に付きやすくする目的で、粘り気や展着性のある（濡れやすく、広がりやすくする）材料を「展着促進材」として使うことができます。

ヤワラでは、特殊な浸透性界面活性剤と糖類のトレハロースが、その目的で添加されております。

詳しくは こちら をご覧ください。

トレハロースは優れた保湿性があり、また安全性が高いため、食品・化粧品・医薬品などで幅広く使用されております。

葉面に付いた散布液は、適当な湿り気を帯びて成分が吸収されるまで、なるべく長く残るほうが望ましいため、ヤワラでは「展着促進材」としてトレハロースを添加しております。

通常の液肥は、250倍〜500倍希釈などの濃い濃度で、おもに土壌から割と多めに与えます。

それに比べてヤワラの場合は、窒素含有率が5%のみで希釈倍率も1,000倍と薄く、さらに葉面散布で与える量も少ないので窒素過多になるとは考えられません。

社内試験においても、窒素過多の症状（葉の濃緑化・柔軟化、節間の間伸び等）は観察されておりません。

気温10℃〜30℃で管理された温室内で、各科野菜の代表として、白菜・ほうれんそう・トマト・きゅうり・えんどう・とうもろこしで、ヤワラを使って高濃度（250倍まで）の散布試験を実施しました。なんら悪い影響は確認されませんでしたが、その他の作物や、異常な気象（特に温度）条件で、どうなるかは確認されておりません。

カルシウム剤の場合、濃い濃度で間隔を空けて散布するよりは、薄い濃度で何回も散布する方が効果的かと思われます。

なお、ヤワラで使用されている界面活性剤については、肥料の材料としては新しい系統であったため、(独)肥飼料検査所（現FAMIC）の指示のもと、(財)日本肥料検定協会で小松菜を使った試験をしました。その結果、ヤワラの1,000倍希釈時の6倍の界面活性剤濃度で灌水または葉面散布しても、まったく作物に害の出ないことを確認しております。

高温や土壌の湿度で根が弱っている場合は、灌水でカルシウム剤を与えてもなかなか根から吸収されませんし、しおれて蒸散流がおきていないような状態では茎の中の移動も余計起こりにくくなります。

このような悪条件下でも、葉面散布なら植物が必要とする部位にカルシウム分を直接供給することができるからです。

カルシウムは、植物に吸収されてもペクチン物質や有機酸と結び付きやすく水に溶けない形になり、植物体内を移動したり再利用されたりしにくくなります。そのため、散布後に伸びた部分や生長点で、カルシウム欠乏が起きやすくなるわけです。

また、カルシウム欠乏が起きてから散布しても、植物の組織がすでに弱っている段階では十分吸収してくれません。

ヤワラは、他の剤に比べ成分の浸透・移行力に優れていますが、それでも7〜10日に1回程度は予防的に散布してください。

また、カルシウム欠乏のきざしが観られたらすぐに散布していただいた方が、結局は生育期間を長くし、収量を安定して上げることができます。

まだ未確認なのですが、効果は出ると思います。

ですが、根からカルシウムを吸収させる目的だけにご使用になられるのでしたら、葉面散布剤として設計されたヤワラに含まれる展着促進材（界面活性剤など）は不要となりますので、他のもっと安いカルシウム剤でも十分かと思われます。

ございません。

肥料登録上は、どんな植物・作物でも使用可能です。

ですので、作物栽培の基本である土壌・肥培や温度・湿度管理をしっかりと行い、使用濃度を的確に守ってご使用していただければ、すべての作物で問題を生じないものと考えております。

作物別の効果的な使用法については、アグリボこよみをご覧ください。

原材料や希釈倍率から考えて、他の液肥との混用で植害が起きる可能性は低いと考えられます。

混用散布液を調製する場合、容器に必要量の水をためてから両剤を薄めてください。特にりん酸分の高い液肥と濃い濃度で混合すると、沈殿（りん酸カルシウムと思われる）ができて効き目が悪くなったり、散布器のノズルが目詰まりする可能性がございますのでご注意ください。

なお、アグリボEXとの混用については、何度も確認試験をしており、注意点を守っていただければ問題はございません。

ヤワラにはトレハロース（多糖類の一種）が含まれており、植物ホルモン剤などの植調剤の成分が過剰に吸収され、薬害を起こしやすくする恐れがございますので混用はしないでください。

石灰硫黄合剤・アルカリ性の農薬・無機銅剤など、単独でも薬害の出やすい農薬との混用は避けてください。その他の農薬につきましても、使用する農薬の注意書きに従ってご使用ください。

ヤワラには界面活性剤などの展着促進材が含まれているため、特に展着剤（界面活性剤など）と混用できない農薬とは混用しないでください。

また、多くの乳剤やフロアブル剤には、その農薬に最適な界面活性剤があらかじめ副資材として添加されており、混用すると散布液の展着性が変化する恐れがありますので、散布液の変化に注意してご使用ください。

心配はございません。

ヤワラの原液には、硝酸カルシウムをかなりの濃度で含んでおりますが、1,000倍希釈で散布した場合の植物の表面に付く量はほんのわずかです。

弊社で行った各種野菜による250倍での散布試験におきましても、肉眼では汚れなどは確認できませんでした。

ヤワラは、登録肥料です。

農薬と異なり肥料の場合、使用期限の表示は義務付けられておりません。冷暗所で保存していただければ最低4〜5年は問題ないと考えております。

高温になった場合、界面活性剤の溶解度の関係で、原液中にわずかに “曇り” ができることがありますが、室温に戻せばなくなり、使用しても品質や効果に問題は生じません。

-17.5℃前後で凍ります。

-20℃で凍結と融解を（3回）繰り返して常温に戻した場合でも、ボトルの変形や噴き出し、また製品の品質や効果面でも異常は確認されませんでした。

きゅうりと大菊で実施した社内試験で、ヤワラのしおれ軽減効果を確認しております。

あらかじめヤワラを散布しておくことで、高温乾燥による茎葉のしおれを遅らせます。また、灌水後のしおれからの回復を速める効果があり、収穫物や花の品質も良くなります。

露地栽培の灌水が難しい圃場で乾燥害が予想される場合、予防的に1週間に1回はヤワラの500〜1,000倍液を散布されることをお勧めいたします。

詳しくは こちら をご覧ください。

小松菜とそら豆で実施した社内試験で、ヤワラの低温障害軽減効果を確認しております。その試験結果からは、低温に遭う2〜3日前までにヤワラの500倍液を1〜2回作物に散布しておくことで、1週間ほど葉・茎・根に受ける低温の害を軽減する効果が期待できます。

春先の晩霜については、作物の葉がまだ小さく、成分の吸収量が少ないため効果が出にくいと思われますが、豆類などで収穫の直前に早霜の予報が出された場合は、なるべく早めにヤワラを予防散布してください。

ヤワラの希釈液に菊の切り花を漬けておくだけで、水揚げ量が増え、葉や花の鮮度を保つ効果が確認されおります。濃度は3,000倍希釈程度の薄い方が効果が上がる傾向にあります。

ただし、殺菌剤が入っている訳ではございませんので、茎の切り口が細菌で痛むのを抑えることはできません。

3〜4日おきにヤワラの溶液を交換した方が、より長持ちするかと思います。

ヤワラの中に含まれる硝酸カルシウムは、ごく一般的に肥料の主原料として使われており、トレハロースは動植物体内に存在するものです。また、界面活性剤も農薬の展着剤として安全性が確認済みの化合物を選別して使用しております。

ですので、用法・用量を守って正しくご使用していただければ、人間や環境に与える影響はほとんど無く、安心してお使いしていただける製品です。

弊社では、念のために製品としての毒性を確認すべく、肥料では必要とされていない急性毒性試験（マウスおよびコイ）を第三者機関で実施しており、動物に対する安全性が極めて高いことも確認しております。