トマトの尻腐れ症は、おもに環境条件(天候・土壌など)により、カルシウムの吸収不足が原因で発生するカルシウム欠乏症です。
カルシウム欠乏症は、気温が高くなり急激な養水分(特にチッソ)の吸収が発生を助長します。土壌中にカルシウムが豊富にあっても、このような条件が整ってしまうと発生します。
他にも、チッソ過多の圃場で出やすかったり、土壌の乾燥・加湿による根傷み・根腐れなどで根の活性が低下した場合でも発生します。
そのため、葉面からのカルシウム補給が有効になるのですが、尻腐れ症を予測することは難しいため、なるべく樹が小さい時期から定期的にヤワラ(カルシウム含有)の500〜1,000希釈液で葉面散布をおこない、常に植物体内にカルシウムを蓄積させることが重要になります。
根痛み根腐れなどで根の活性が低下し、尻腐れが発生する場合、
■ アグリボEXの1,000倍希釈液を葉面散布
または、
■ 森羅を300坪当り150g灌水施用
をして、根の活性を高めてください。
その際もヤワラの葉面散布はおこなってください。
日頃の管理で気をつける点は、土壌が乾燥しているところへの多量の灌水はなるべく避け “少量多灌水” を心がけてください。カルシウム欠乏症は完全に防ぐことが難しい症状ですので、日頃の管理とマメなカルシウム補給が大切です。