「展着剤」は “農薬として登録” されているもので、「展着促進材」は “肥料の材料として使用されるもの” のことを指します。
どちらもある種の界面活性剤が使用されているケースが多く、植物に付きやすくする目的で使用されるものです。
※ 弊社製品では、ヤワラに展着促進材が含まれております。
たとえば「硫安(りゅあん)」「苦土石灰(くどせっかい)」など、肥料は古い歴史を持つため、よく特殊な名称や用語が伝統的に使われています。
植物栄養学では、植物の生育に必要な九つの多量必須要素のうち、特に人為的に与える効果の高い元素、窒素(N)・リン(P)・カリウム(K) の三つを肥料の三要素と呼び元素名で表わします。
ところが、日本の肥料の(製造業界・法規関連)分野では、その古い歴史のため、現在でも肥料の成分や成分量を(窒素を除いて)元素名ではなく酸化物の形で表わしたり換算したりすることがほとんどです。
リンは「りん酸」、または「リン酸:P2O5(五酸化リン)」
カリウムは「加里」、または「カリ:K2O(酸化カリウム)」
という具合です。
ですので、肥料取締法に基づいて肥料の三要素の成分量(%) を表示する場合、正しくは “窒素・りん酸・加里” となりますが、多くはそれらを便宜的に(元素表示と混同して)“N・P・K” と称しているのが実態です。
弊社でも、世間にならって肥料の三要素を略して “N・P・K” と呼ぶことがありますが、それらは正しくは “窒素・りん酸・加里” のことを示しており、また「NPK比」とは肥料中の窒素・りん酸・加里の重量%比率を意味していることをご理解ください。
植物成長調整剤(略称 “植調剤”)は、殺虫剤や殺菌剤と同じく農薬の一種類で、植物の発芽・発根・伸長・開花・結実など多種の生理現象を、促進したり抑制したりすることによって増収や品質の向上をねらうとともに、農業の低コスト化を図るものです。
その多くは、植物体内の植物ホルモンの活性を高めるエチレン剤・オーキシン剤・サイトカイニン剤・ジベレリン剤などのいわゆる “植物ホルモン剤” です。
また、植物ホルモンの作用を抑える “植物ホルモン拮抗剤” や、“植物ホルモン生合成阻害剤” も植調剤の一種で、腋芽防止剤や矮化剤として利用されます。
一般的に、植物体内の複雑な植物ホルモンの作用に働きかける(他の農薬と異なり、植物体の生理機能に直接関与する)植調剤を使用する際は、使用時期・温度条件・使用方法そして使用量(吸収量)に細心の注意を払う必要があります。
植物ホルモンの、植物体内での作用生理機能は不明な点が多いのですが、個々の植物ホルモンが単独に生成されたり機能するものではなく、相互にバランスを取りながら働いています。
ですので、植調剤を他の農薬や液肥と混用した場合、植物体内でそれらがどのような作用を起こすのかをすべて予測することは難しく、基本的に植調剤と他剤との混用を極力避けるべき理由のひとつとなっております。
混用が有益と考えられる場合でも、他剤の開発会社が安全性や効能を確認した事例を参考にするなど、自らが混用可否を確認・判断した上で慎重にご使用ください。