植物の進化の過程から考えると、もともと根は土壌から必要な水分や養分を吸収するために分化してきた器官です。植物は根で養水分を吸収し、地上部の葉で光エネルギーを捉えて光合成を行い、二酸化炭素を同化して有機化合物に変換します。
つまり、根は植物のすべての生命活動の始まりといえます。
根が弱くなってくると、またたく間に全体に影響をおよぼします。根の活性を高く保つということは、よく養水分を吸収し必要な物質の生合成を活発に行なうことに繋がるので、植物を健全に育てるためにはとても重要です。
私たちは、活性が高く力強い根の状態を「根力」があると呼んでいます。
農作物の生産者は、経験的に「発根数」の重要性を認識しています。
移植の際に苗をポットから引き抜いてびっしり根が張っていると、嬉しそうな感嘆の声が上がります。それは発根数の多い苗の方が、そうでない苗と比べて移植後の生育が良くなるからです。だから皆、なんとか根を張らそうと、あの手この手の工夫をします。
しかし、いくら「根力」があっても、それが1本しかなかったらどうでしょうか?
根が1本で吸収できる養水分の量、あるいは生合成される化合物の量は限られます。その数が増えて初めてそれらを行なう箇所が増え、地下部の活性が高くなり、健全に生育をしてゆくための基礎が形成されるのです。さらに、根数が増えて根が張っている状態になっているということは、地下部の環境も良好であると判断できます。ただ、そう分かってはいても、なかなか理想どおりにはいきません。
よく「根の充実」を図るといわれますが、どのような状態を指しているのでしょうか?
私たちは「きちんと働く活性の高い根(根力のある)が多く、ボリュームがある(発根数の多い)状態」だと考えています。たとえ活性の高い根が生えていても発根数が少ないと問題ですし、またどんなに発根数が多くても、それらがきちんと働かないのでは意味がありません。
では、どうすれば理想的な「根の充実」を図れるのか?
そんな現場の生産者の声から生まれたのが、灌水施用型植物活力剤「森羅」です。
根はどのようにしてつくられているのでしょう?
そのメカニズムは、まず茎や根の内部に根原基(根のもと)が誕生し、それが生長して組織を破り外に出る(発根)というものです。根原基は茎や根が太ければ太いほど数も多くなります。ですので、根数を増やすには茎や根を太して根原基の数を増やしてあげることが必要です。
※ ただし、根毛は表皮細胞が変形して出来たもので、このような出来方にはなりません。
詳しくは、“地下部 = ブラインドエリア” を参照してください。
よく「ずんぐり苗がいい」といわれていますが、「ずんぐり」というのは “太っていて背が低いさま。また、物が太くて短いさま(大辞泉)” ということで、要は「高さに比べ胴回りが太い状態」ということになり、根数が増えやすい苗姿と言い換えることもできます。