ナチュラル抵抗性誘導剤(プラントアクティベーター)「アグリボEX」の説明をする前に、そもそも抵抗性誘導剤とは何なのかを理解する必要があります。そこで、まずは植物の生体活動の仕組みと、それを利用して効果を発現する抵抗性誘導剤について説明してゆきます。
植物は、さまざまなシグナルに応じて生体活動を営んでいます。
たとえば、
雨が降らない → 水分不足(水分ストレス)→ 気孔を閉じ水分蒸散を防止して細胞機能を調節。
(細胞内に溶けている糖などの物質を増やし、浸透圧を利用して吸水しやすい状態にする)
あるいは、
傷ができる(傷害ストレス)→ 傷の補修と同時に病気に感染しないように抵抗力を高める。
これらの反応は、環境シグナルによるストレス応答反応でホメオスタシス機構の一部です。
さて、ストレス応答反応のなかでも病気に対するものを病害応答反応といいますが、これは植物が病気に感染したときに誘導される防御システムで、これが誘導されると病気と闘う力(病害抵抗性)が強くなるのです。
抵抗性誘導剤は、その 病害応答反応を誘導する ことを目的に開発されています。
抵抗性誘導剤が植物に病害応答反応を誘導する仕組みは、植物のシグナル応答を利用したものです。
簡単にいうと、「病気にかかった」というシグナル(信号)を植物に与えて病気にかかったと錯覚させ、もともと備わっている病気と闘う力を強くするというものです。
また、抵抗性誘導剤は植物の抵抗力を利用して効果を発現させるので、それ自体に抗菌活性はありません。処理液を培地などにいれて病原菌を培養しても普通に増殖してゆきます。ここが一般的な殺菌剤との決定的な違いです。
この特長により、耐性菌出現の可能性が極めて低いうえに効果が長期間持続する ため、低環境負荷型の資材として世界中で積極的に研究されている分野でもあります。
アグリボEXは、従来の抵抗性誘導剤とは異なる反応系 で、植物の抵抗性を誘導すると考えられています。これがアグリボEXのもつ特長のひとつとなっており、従来の抵抗性誘導剤とは異なる作用や効果が発現する可能性が非常に高いといえます。
たとえば、一般的に抵抗性誘導剤で病害抵抗性を誘導すると、植物に障害が発生しやすくなるといわれ、ウィークポイントのひとつとされてきました。しかしアグリボEXでは、それを大きく緩和させることに成功しています。これは、アグリボEXに含まれている有機窒素化合物などが関与し、植物体をより健全な状態にしながら強い抵抗力を誘導すると考えられています。
また、通常の抵抗性誘導剤は化学合成された物質を主成分としていますが、アグリボEXは 天然物由来のものを主成分としてつくられている ことも大きな特長です。
このように「アグリボEX」は、新しい視点で開発されたユニークかつ完成度の高い製品です。
この画像は、タバコに「アグリボEX」を前もって処理したものに、タバコ立枯病菌を接種し、2週間後の病状を比較したものです。「アグリボEX」の代わりに水を散布処理したものをコントロールとしました。
コントロールでは、接種した葉からさらに上位葉にも病状が現れ、全体的に枯れていくのに対し、「アグリボEX」を処理した方では、上位葉に病状が確認されず、病状が悪化しないことが明らかとなりました。
このことから「アグリボEX」は、タバコに立枯病菌に対する抵抗性を高める効果があることが明らかとなりました。