vol.03
昔から “苗半作” という言葉があるように、苗作りが重視されてきました。「よい苗が作れれば、作柄の半分は決まったようなもの」という意味が込められています。よい苗は活着がスムーズで、後の生育・収穫を安定させることができるからです。
弊社では一貫して育苗の重要性を訴えてきましたが、いま一度『苗半作』が本当なのか?
を確認するため、下記のような試験をおこないました。
◆ 苗時期(は種後50日以内)に、アグリボEXやヤワラを処理し、その後の生育を調査する。
※ は種後130日目に最終生育調査
苗 重 | 草 丈 | 根 長 | |
---|---|---|---|
① | 7.3g | 477.9mm | 207.7mm |
② | 6.1g | 445.2mm | 184.4mm |
③ | 7.0g | 470.4mm | 203.5mm |
④ | 9.1g | 498.3mm | 236.0mm |
⑤ | 3.3g | 391.9mm | 174.2mm |
地上部・地下部ともにこれだけの差が出る !!
この試験結果により苗半作を実感し、育苗・活着・初期生育の重要性をあらためて確認することができた経験をもとに、2010年より「定植後の活着」と「初期生育の充実」を主眼においたアグリボEXの『定植前灌注処理』の試験および普及をしてまいりした。
この年の茨城県は、8・9月の猛暑と乾燥により定植後の苗の枯れや活着不良多発。結球不良や収穫の遅れなどで、収穫量が大きく低下した年だった。アグリボEX処理区においても、収穫予定日よりも多少の遅れがあったものの、外葉が大きくしっかりとしており、結球も問題なかった。(右上画像)
7・8月定植のトマトでは、近年、定植後の高温による苗の枯れ・生育不良が各地で問題となっている。その対策の一環としておこなった試験。(画像ではわかりにくいが)無処理区は茎が細く徒長しているのに対し、処理区は徒長せずにガッチリとしていた。果菜類でも殺虫剤の定植前灌注処理が増えてきているので、アグリボEXとの同時施用も普及しやすくなってきている。
育苗・定植・生育初期は、極めて重要な時期であり、この時期の良し悪しによって、その年の作柄が決まるといっても過言ではありません。定植後の活着がスムーズかどうかを、あらためて栽培上の重要な時期と位置付けてみてはいかがでしょうか?
この大事な時期を乗り切るための手段として、アグリボEXの使用をおすすめします
高温・乾燥のため無処理区は欠株や生育のバラつきが多いが、アグリボEX区(画像右側)は安定している
試験地: 熊本県(ブロッコリー)/ 2012年9月撮影