アグリボEXの、小麦幼苗期 葉面散布試験

1. 試験目的

アグリボEXを小麦の幼苗期(2.55葉期)に葉面散布し、
初期生育および収穫期の稈・穂の生育に与える効果を確認する。

2. 試験方法

栽培

横浜市内の温室内で、11月に「ホクシン」を1/5000a用ワグネルポットに播種、2葉期に4株に間引き、薬剤最終処理1週後まで温室内で管理、その後野外で栽培。

試験区および処理時期


薬剤 希釈倍数 散布回数および時期
アグリボEX
AGEX
x1,000 1回(2.53葉期 / 播種18日後)
2回(2.53葉期と5葉期 / 播種30日後)
x500 1回(2.53葉期)
2回(2.53葉期と5葉期)
無処理(水) - -

※ 各試験区に、展着剤A1,000倍相当)を加用

4. 試験結果

7葉期調査

試験区 分げつ数 葉令 草丈 (mm)
AGEX x1,000 / 1 11.1 7.2 331
AGEX x1,000 / 2 9.9 6.9 317
AGEX x500 / 1 10.1 7.0 304
AGEX x500 / 2 9.6 6.8 296
⑤ 水 9.1 6.7 304
  • ● アグリボEX 1,000(試験区①②)では、無処理(試験区⑤)に比べ
    分げつ数・葉令・草丈の進展が見られ、その傾向は1回処理 > 2回処理であった。
  • ● アグリボEX 500(試験区③④)では、無処理(試験区⑤)に比べ
    分げつ数の進展が見られ、その傾向は1回処理 > 2回処理であった。

枯熟期

試験区 株当たり
有効
分げつ数
平均
稈長
(mm)
株当たり
稈重
(g)
平均
穂長
(mm)
1穂重
(g)
株当たり
穂重
(g)
AGEX x1,000 / 1 11.0 592 14.5 82 0.98 10.8
AGEX x1,000 / 2 10.8 606 14.0 85 1.02 11.0
AGEX x500 / 1 10.0 612 14.0 88 1.15 11.5
AGEX x500 / 2 9.8 603 14.3 91 1.23 12.0
⑤ 水 10.8 626 14.3 81 1.00 10.8

● アグリボEX 500(試験区③④)では、無処理(試験区⑤)に比べ有効分げつ数は減少したが、アグリボEX 1,000(試験区①②)と無処理に比べ、1穂当たりの重量が明らかに優れ(1523%)、株当たりの穂重で優位性が認められた。
その傾向は、2回処理 > 1回処理(対無処理区比 111.6%, 107%)であった。これは、なんらかの原因で分げつ数が整理され、光合成の効率が上がった結果と考えられる。

5. まとめ

小麦の幼苗期(2.53葉期)に、アグリボEX1,000倍希釈液を12回葉面散布することで、初期生育の分げつ数・葉令・草丈を進展させることができる。

しかしながら、同じ時期にアグリボEX500倍希釈液を12回葉面散布することで、株当たりの穂重を最終的に10%程度増大させることができ、この処理法がもっとも生産性向上に有効と考えられる。

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