アグリボEXの葉面散布が、にんじんの品質に与える効果確認試験

1. 試験目的

アグリボEXをにんじんの生育期に葉面散布し、根部(可食部)の肥大効果と裂根などの品質に与える影響を確認する。

2. 試験方法

「向陽2号」を 1/5000a用ワグネルポットで2本栽培し、本葉4葉期以降、アグリボEXを連続葉面散布処理し、収穫時の品質を調査する。

■ 用土および元肥

黒土1kg当たり、化成肥料 (N · P · K = 8 · 8 · 8) 4g、溶リン (P20%)0.8g施用。

(N · P · Kとして各々320mg · 480mg · 320mgに相当)

■ 試験区および処理時期

区番号 薬剤および希釈倍率 葉面散布処理時期(播種後日数)
1回目
65日)
2回目
72日)
3回目
82日)
4回目
89日)
アグリボ
EX
展着剤
または
ヤワラ
葉令
4.0-6.5
葉令
4.5-7.5
葉令
5.0-8.0
葉令
5.0-8.0
平均5.3 平均5.6 平均6.0 平均6.5
1,000 展着剤A
1,000








ヤワラ
1,000
-
500 ヤワラ
1,000
無処理 - - - -

3. 調査方法

播種111日後に採取し、根(可食部分)の長さ、最大径および生重を調査。

4. 試験結果

区番号 根長 根最大径 根生重
平均 (mm) 標準偏差 平均 (mm) 標準偏差 平均 (g) 標準偏差
61.0 6.557 17.0 1.539 10.0 1.915
61.3 12.118 18.7 1.743 11.7 3.300
62.7 7.739 17.1 2.492 10.3 3.145
64.3 7.134 17.4 0.848 10.3 1.247
62.3 9.086 16.6 1.610 10.0 2.309
60.7 4.534 16.2 0.689 8.2 0.898
66.2 8.214 16.6 0.474 9.7 0.943
61.3 5.617 15.2 2.235 8.8 3.131
53.8 3.897 15.3 0.864 7.0 0.707
58.3 5.249 15.9 1.080 8.8 1.344

※ 標準偏差(σ): 測定値のばらつきの度合いを表す数値。小さいほどばらつきが少ない。

(1) 展着剤A+アグリボEX 1,000710日間隔おき23回の葉面散布(試験区①〜⑤)で、無処理(試験区⑩)に比べ根長・根径・根重の促進が見られた。また、散布回数が多いほど(3回散布)、早期から散布を始めるほど、根径・根重値の標準偏差が小さくなり、“揃いが良くなる” 傾向が見られた。もっとも等級が安定する結果となったのは、早期からの3回連続散布(試験区④)であった。

(2) アグリボEX 1,0004回散布(試験区⑥〜⑧)では、23回散布に比べ根径・根重の低下が見られた。また、アグリボEX 500+ヤワラ 1,000散布(試験区⑨)では、アグリボEX1,000+ヤワラ1,000倍散布(試験区⑦)に比べ、根長・根径・根重のすべてにおいて抑制された。どちらもアグリボEXの処理圧が過剰であったと判断される。

(3) ヤワラ 1,000+アグリボEX 1,0004回散布(試験区⑦)の生育は、展着剤無加用(試験区⑧)に比べ優れ、展着剤A加用(試験区⑥)に比べても同等以上であり、ヤワラは十分な展着促進効果を有すると考えられる。

(4) 全試験区で裂根・曲がりなどの異常はほとんど見られず、48葉程度の時期のアグリボEX散布では問題が生じないと考えられる。

試験区③試験区 ③
アグリボEX 1,000+ 展着剤A
晩期2散布

根長 (mm) 62.7 σ=7.739
根径 (mm) 17.1 σ=2.492
根生重 (g) 10.3 σ=3.145

試験区④試験区 ④
アグリボEX 1,000+ 展着剤A
早期3散布

根長 (mm) 64.3 σ=7.134
根径 (mm) 17.4 σ=0.848
根生重 (g) 10.3 σ=1.247

5. まとめ

生育初期の4葉期から、アグリボEX 1,000倍希釈液を、710日間隔で3回程度葉面散布することにより、等級の揃った良質なにんじんの肥大・増収が図れる。また、ヤワラの1,000倍希釈相当の加用も効果的である。

試験結果から応用できる作物

詳しくはアグリボ製品の作物別ご使用方法 “アグリボこよみ” をご覧ください。

上記以外の作物のこよみ

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