アグリボEXの、ビート育苗期 初期成育促進効果
1. 試験目的
アグリボEXをビートの育苗期に灌水散布し、移植後の活着状態と初期生育状況を確認し、最適希釈濃度と処理時期および回数を究明する。
2. 試験方法
※ 育苗・処理方法・処理時期AおよびBは SS0327 と共通。
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- 育苗
- 「きたさやか」をビート用ペーパーポット規格1号に播種、用土・元肥・苗立枯病防除については慣行通り。徒長を促すため、灌水量は多め、温度管理は高めで育苗。
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- 処理方法
- 薬剤希釈液を、ペーパーポット1冊当たり1L相当で灌水散布する。
- 徒長抑制剤S液剤(参考区)は、希釈液をペーパーポット1冊当たり50ml相当で噴霧する。
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- 処理時期
- A: 播種21日後(本葉第1葉が5mm長)
- B: 播種29日後(本葉1.5葉期)
- C: 播種41日後(移植前日)
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- 移植とその後の管理
- 播種42日後に、赤玉土小粒(無肥料)を用土として1/50a用ワグネルポットに移植。
- 活着性を確認するため、土壌水分は萎凋点(いちょうてん)を下回らない程度の乾燥気味に保つ。
3. 調査方法
播種53〜54日後に、1試験区当たり8株を採取し、草丈(最長本葉長)・茎葉生重・根長および直根生重を調査。
4. 試験結果
- 活着状態
- 試験区⑨で苗立枯病に因ると見られる欠株が1例発生したが、それ以外は良好であった。
- アグリボEX処理区(試験区①〜⑳)「地上部」の生育 [無処理区との比較]
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- 500〜1,000倍処理区(試験区①〜⑭)では、草丈と茎葉生重で極めて優れた生育促進が認められた。これに対し250倍処理区(試験区⑮〜⑳)は、移植時までのアグリボEXの処理圧が高いほど(回数と葉面積が増えるほど)生育が抑制される傾向を見せた。
- 500〜1,000倍液の3回処理区(試験区⑦⑭)の地上部の生育は、2回処理区(④〜⑥、⑪〜⑬)に比べわずかに劣る傾向も認められ、3回処理は避けるのが無難と考えられる。
- 地上部の移植後、初期生育の観点から判断できるアグリボEXの最適処理方法は、本葉展開後〜移植前に500〜1,000倍希釈液で1〜2回の処理となる。
- アグリボEX処理区(試験区①〜⑳)「地下部」の生育 [無処理区との比較]
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- 500〜1,000倍液処理区(試験区①〜⑭)において、全般的に根長・根生重で極めて優れた生育促進が認められ、特に2〜3回処理区(試験区④〜⑦、⑪〜⑭)で、この生育段階で重要と考えられる根長の促進が著しかったのが特徴的である。
- 250倍液処理区(試験区⑮〜⑳)では、根生重が抑制される傾向が観られ、注意を要する。
- 地下部の移植後、初期生育の観点から判断できるアグリボEXの最適処理方法は、本葉展開後〜移植前に500〜1,000倍希釈液で2〜3回の処理となる。
5. まとめ
アグリボEXの500〜1,000倍希釈液を、育苗期本葉展開後に2回灌水散布することで、移植後の地上部および地下部の初期生育(特に根部伸長)を促すことができる。
直根の状態
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- 上:
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- アグリボEX
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- ・希釈倍率:
- 1,000倍
- ・散 布:
- 播種21, 29日後
- ・平均根長:
- 249.4mm(全試験区内最長)
- 下:
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- 無処理
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- ・平均根長:
- 166.9mm
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- 上:
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- S液剤
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- ・希釈倍率:
- 20倍
- ・散 布:
- 播種21日後
- ・平均根長:
- 155.0mm
- 下:
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- 無処理
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- ・平均根長:
- 166.9mm
試験結果から応用できる作物
◆ 育苗する作物全般に応用できます ◆
詳しくはアグリボ製品の作物別ご使用方法 “アグリボこよみ” をご覧ください。
上記以外の作物のこよみ